あなたは本当にぐっすり眠れていますか?

寝苦しかった夏も終わり、快適に眠れるようになったはずなのに「どうにも疲れがとれない」ということはありませんか?
それはもしかしたら、睡眠の質が低下しているのかも。疲労と睡眠について理解して、今日からぐっすり眠りましょう!

睡眠の質=疲労回復力

寝不足を感じている人は要注意!

「気持ちよく眠ったはずなのに朝すっきり起きられない」 あるいは「昼間でもふと気が付くとウトウトしている」…そんな方は、日々の睡眠不足が積み重なった「睡眠負債」の状態に陥っているのかもしれません。
睡眠の目的は、日中の疲労を回復させること。ですから、毎日8時間寝ていたとしても、朝起きたときに疲労が残っているようでは、質の高い睡眠をとれたとは言えません。
疲労が蓄積すると、心身の健康や美容に悪影響を及ぼします。睡眠の質を高めてその日の疲労を上手に解消することが、生き生きとした毎日のカギとなるのです。

睡眠の質を高めるために睡眠負債チェックリスト

  • 電車やバスに乗っている時、気付くと眠ってしまっていることがある
  • 寝付きが非常に良い(5分以内)
  • 起床4時間後に眠気を感じる
  • 休日はいつもより2時間以上遅く起きる
  • いびきをかいていると言われる
  • 朝、目覚まし時計を使って起きる
  • 寝汗をたくさんかく
  • 風邪をひきやすい

夜中に何度も目が覚める
\それ、実は自律神経が疲れているせいかも/

自律神経の中枢は睡眠の質にも関わっている

近年の研究で、疲労の原因は活性酸素だということがわかってきました。体内で活性酸素が過剰に発生すると、酸化ストレスにより細胞が傷つき、その機能が低下してしまいます。これが疲労です。そして、私たちの体の中で最も疲れるのは、生命活動を維持するために24時間休みなく働き続ける自律神経の中枢がある脳です。
自律神経は、呼吸や心拍、体温などのほか、実は、睡眠のリズムや深度の調節も担っています。夜中に何度も目が覚めるのは、この調節がうまくいかず、睡眠の質が低下しているからかもしれません。

自律神経による睡眠コントロール機能低下
”自律神経の機能は加齢により低下する”

自律神経の機能は年齢とともに低下し、若い頃のピーク時から50代までの間に、およそ7割も衰えてしまいます。機能の低下を止めることはできませんが、日頃から自律神経への負担をできるだけ減らし、急激な老化を防ぐことが大切です。

睡眠のリズムが狂い、眠りが浅くなってしまう
”睡眠の質が低下”

ー睡眠の質を低下させるいびきー

気道が狭くなっている状態で呼吸をするため音が発生する、それが「いびき」の正体です。酸素を十分に取り込めず低酸素状態になると、自律神経は心拍や血圧を上げるなどしてフル回転で対応します。いびきをかいているということは、休息すべき睡眠中にむしろ疲労をためこんでいるサインなのです。

ー睡眠時無呼吸症候群に注意!ー

いびきの中でも特に注意が必要なのが、睡眠時に無呼吸状態を繰り返す「睡眠時無呼吸症候群」。脳卒中や心筋梗塞など重大な病気を引き起こしかねない危険な睡眠障害です。

疲労の蓄積は病気の引き金にも

疲労を回復しきれなくなると、病気のリスクも高まります。免疫機能が低下してウイルスや細菌に感染しやすくなったり、血圧や血糖値に影響して生活習慣病につながったり。そのほか、心疾患やアレルギー、認知症など、睡眠の質の低下によってたまった疲労はさまざまな病気の引き金になります。

質の高い睡眠って?睡眠負債解消のために

大切にしたい体内時計のリズム

では、質の高い睡眠のために大切なことは何でしょうか。
睡眠には浅い眠りの「レム睡眠」と、深い眠りの「ノンレム睡眠」があり、約90分周期で何度も切り替わります。十分な疲労回復のためには「ノンレム睡眠」が3~4回あるのが理想といわれています。
しかし、必要な睡眠は、体質や年齢によっても変わります。大切なのは、自分の体の自然なリズム。そこで意識したいのが、私たちの体に備わっている体内時計です。質の高い睡眠のためには、このリズムを整え、自分自身に合った睡眠を見つけることが重要なのです。

■起床時間を一定に

体内時計のリズムを整えるには「決まった時間に起きる」ことが大切です。休日でも平日の起床時間との差は2時間以内にしましょう。

■眠くなってから布団に入る

布団に入るのが早過ぎるのも、眠りが浅くなる原因に。体内時計のリズムに従って、眠くなってから布団に入るようにしましょう。

■朝日を浴びて体内時計をリセット

起床後に朝日を浴びると体内時計がリセットされ、眠気がなくなりスッキリと起きられます。また、この刺激が14〜16時間後に眠気を誘うホルモンの分泌を促し、夜の快眠にもつながります。

■布団・ベッドは「眠る場所」

布団に入っても眠れないという状態を繰り返すと、「眠れずにイライラする場所」と脳が記憶してしまいます。スマホをいじるなど眠る以外のことは、布団の中ではなるべく控えましょう。

実は間違っている?睡眠について3つの誤解

睡眠について常識だと思っていることの中には、実は少し間違っているものも。まずはそんな「誤解」を解くことが、より良い快眠生活をスタートさせるカギになります。

誤解その1:理想の睡眠時間は8時間である

実は、必要な睡眠時間は、年齢や個人の体質により一人ひとり違います。6時間で十分な人もいれば、10時間眠る必要がある人も。睡眠において最も重要なのは「時間」ではなく「質」なのです。

誤解その2:午後10時~午前2時がゴールデンタイム

疲労回復や筋肉の修復を促す成長ホルモンは、寝始めの3時間に多く分泌されます。重要なのは、その時間に訪れる深いノンレム睡眠であり、「午後10時~午前2時」という時間帯に寝ていなければならないということではないのです。

誤解その3:「どこでも眠れる」から大丈夫

場所を問わずどこでも眠れる、あるいは寝付きが非常に良いというのは、いわゆる「寝落ち」の状態で、健康的なことではありません。本来、布団に入ってから寝付くまでにはしばらく時間がかかるほうが自然で、5分以内にまるでスイッチを切るように眠ってしまうなら、普段の睡眠時間が足りていないか、睡眠の質が悪い可能性があります。

今日からできる!毎日の睡眠の質を高める工夫

睡眠の質を高めるために、普段の生活の中で簡単にできる工夫をご紹介します。

寝る前にコップ1杯の水分補給を

体内の水分が不足すると自律神経に負担がかかり、睡眠の質が低下します。尿意を感じて起きてしまうのは、そもそも脱水により眠りが浅くなっていることが原因である場合も。水分補給で脱水を予防し、自律神経をいたわりましょう。

温かい飲み物は胃腸を温め、自律神経をリラックスモードにしてくれます。寝る前の水分補給には、水よりも白湯がおすすめです。

右向き寝でいびきを防止

横向きに寝ると、舌の根や喉の筋肉が落ち込んで気道が狭まるのを防ぐことができるため、いびき防止になります。特に、胃の消化をスムーズにする右向き寝がおすすめです!

ぬるま湯で半身浴を

ヒトは深部体温が下がる時に眠くなるため、寝る1~2時間前の入浴で深部体温を上げておくと寝付きがスムーズ。自律神経をいたわるには、熱いお湯に肩まで浸かるより、38〜40℃のぬるま湯で半身浴を。

運動は寝る2時間前までに

運動をすると自律神経は活動モードになるので、夜に激しい運動や筋トレを行うのは避けましょう。おすすめは、寝る2時間ほど前までにストレッチなどの軽めの運動をすること。体をリラックスさせる効果が期待できます。

暖色系の間接照明で睡眠モードに

明るくなったら活動し、暗くなれば眠るというのがヒトに刻まれた本来のリズム。寝る3時間くらい前から夕焼け色に近い暖色系の間接照明に切り替え、強い光を浴びないことが快眠につながります。

イミダペプチド成分で自律神経の回復をサポート

抗酸化作用のあるイミダペプチド成分を摂取すると、脳までしっかり届き、自律神経の中枢にピンポイントで働きかけます。睡眠のリズムや深度の調節にも関わる自律神経中枢の疲れを解消してそのバランスを整えることで、睡眠の質の改善にも役立ちます。

vol.49【秋号】の記事