お疲れ様の時間│第36回 目の疲れの原因は「脳の疲労」にあり!

目がショボショボ、実は自律神経中枢の疲れかも

コロナ禍のテレワークや自粛生活で、パソコンやスマホを長時間使うことが増え、目の疲れに悩んでいる方も多いのではないでしょうか。

長く狩猟採集生活を営んできた人類の目は、獲物を狙ったり外敵に備えたりと緊張を強いられる状況で〝遠く〟にピントが合うように設計されています。しかし、現代の生活では、仕事中など活動モードのときに〝近く〟のパソコンを見なければなりません。その矛盾が、ピント合わせをコントロールしている自律神経の負担になり、目の疲れを引き起こします。

目の疲れを放っておくと、眼精疲労や視力低下につながることも。「目の疲れ」=「脳疲労」であることを意識して、自律神経をきちんといたわりたいですね。

目のピントを合わせるメカニズム

目のピント合わせに関わっている毛様体筋は自律神経によってコントロールされています。

目のピントを近くに合わせる

副交感神経が優位

毛様大筋が収縮し、水晶体が厚くなる

目のピントを遠くに合わせる

目のピント(遠く)

交感神経が優位

毛様体筋が緩んで、水晶体が薄くなる

本来人間の体は…

本来人間の体は、近くを見るときは副交感神経が優位、遠くを見るときは交換神経が優位になります。

近くを見るとき

リラックス時

副交感神経が優位になり、手に入れた食べものや仲間など近くにピントが合います。

副交感神経優位

遠くを見るとき

緊張状態

交感神経が優位になり、獲物や外敵をいち早く見つけられるよう遠くにピントが合います。

交感神経優位

しかし、現代人は…

近くを見るのに”交感神経が優位に

現代人は仕事中など交感神経優位の状態で、パソコンやスマホなど近くにピントを合わせる指令を脳が送らなければならないので、この矛盾が自律神経中枢のある脳を疲れさせ、疲労感を引き起こします。

vol.53【秋号】の記事