エイジング疲労を知ろう!

きちんと対策をして前向きに年をとる

「エイジング」とは、時間の経過に伴う変化を指し、加齢などと同じ意味で使われることもある言葉です。時を経ることで起きる変化というと「老いる」「老ける」といったマイナスなイメージを持ちがちですが、そこには「人として成長する、成熟する」といったプラスの側面もあります。

年を重ねると、体の機能が落ちるなどして若い頃より疲れやすくなるのは否めません。そしてこの「エイジング疲労」は「老化」とも密接に関係しています。大切なのは、これらのメカニズムを知って上手に対策をとること。今年一年元気に過ごせば、さまざまな経験を積みながら年をとっていくこともまた喜びに変えられるかもしれませんね。

あなたはどんな自分を目指しますか?

一歩一歩かなえよう!サクセスフル・エイジング

近年注目されているのが「サクセスフル・エイジング」という言葉。直訳すれば「幸福な老い」という意味で、年をとることを肯定的にとらえ、理想的な年の重ね方を追求する考え方といえます。
季節が巡れば一つ年をとる、それは誰しも避けられませんが、心と体を若々しく保つことができれば、その人らしい魅力がますます輝くことでしょう。さあ、パワーみなぎる一年へと、今年もこぎ出していきましょう。

まずは加齢による変化を知ろう

身体機能の低下が疲れやすさにつながる

健康や美しさに気を配っていても、日常生活の中で加齢による変化を感じることはあるものです。中でも最も自覚しやすいのが、疲れやすくなった、回復が遅くなってきたという変化かもしれません。そもそもなぜ、年をとることが疲れやすさにつながるのでしょうか。

環境の変化があったときに対応する能力を適応力とい います。
年をとると、寒暖の差に体が反応しにくいなど、外からのストレスに対する適応が難しくなります。

呼吸や体温など、生きていく上で重要な機能を24時間コントロールしているのが自律神経。そのパワーは10代をピークに下がり続けます。

筋肉量・筋力は40歳を過ぎたころから少しずつ減っていきます。特に、太ももなど下半身の筋肉はほかの部分よりも早く、20歳を過ぎると大幅に減少します。

運動量が少ない、胃腸の働きや歯の調子が悪い、味やにおいを感じにくいなどの理由から食欲が低下しがちに。食事量が減ると、十分な栄養やエネルギーをとれなくなります。

加齢とともに、弱った状態から回復する力が低下します。疲労がとれにくくなるのと同じように、傷や病気なども治りにくくなります。

眠りが浅くなり、夜中に目が覚めること(中途覚醒)や早朝に目が覚めてしまい眠れなくなること(早朝覚醒)が増えるなど、睡眠の質が全体的に低下します。

疲労と老化の関係を知ろう

疲れを放っておくと「老化」につながる

暑さ・寒さにさらされる、過度な運動をする、精神的なストレスを抱える……さまざまな理由で自律神経に負荷がかかると、大量の活性酸素が発生します。疲労も老化も、その活性酸素が細胞をサビさせ機能を低下させることが原因。疲労と老化は密接な関係にあるのです。

自律神経がガチガチにサビつくと……

「老化」とは、自律神経細胞がガチガチにサビついてしまった状態。

暑さ・寒さに弱くなる。熱中症等を起こしやすい

血圧が上がりやすくなる。心疾患のリスクにつながる

加齢に伴って体にはさまざまな変化が起こります。
しかし、ここで大切なのが「加齢」と「老化」は異なるということ。
この2つは区別して考えるようにしましょう。

「疲労」も「老化」も原因は活性酸素?

❶大量の活性酸素が発生
細胞をサビつかせる(酸化)

原因は

  • 環境ストレス
  • 肉体的なストレス
  • 精神的ストレス など

自律神経に酸化ストレスがかかる

❷疲労(細胞の機能が低下)

細胞が一時的にサビついた(酸化した)状態で回復が可能 

❸老化

細胞が完全にサビつき戻らなくなった状態