世界の疲労<第3回> 世界の疲労と日本の疲労

世界の疲労と日本の疲労
過労死
英語 の辞典にも載った「Karosh(過労死)」
過度な 長時間労働などから引き起こされる過労死は、いまや日本だけで なく国際社会が抱える重大な問題。この日本語はそのまま国際的 に採用され 、2002年には『オックスフォード英語辞典』に「Karo shi」と掲載されました。疲労感 というアラームが効かなくなると、過労死のリスクが高まる場合 もあります。
バカンス
日本人は休むことに罪悪感?「バカンス大国」フランスとの違い
日本はほかの国々と比べると有給休暇の取得率が低いことがわかっています※。休むと迷惑がかかると考えたり周囲の雰囲気に配慮したりして、休暇をとるのをためらうこともあるでしょう。
一方、「バカンス大国」とも呼ばれるフランスでは、年次有給休暇が 5 週間あり、雇用主には従業員に年休をとらせる義務が課せられています。年休のうち 2 週間は連続して取得させるという決まりもあります。
※米旅行予約サイト・エクスペディア
調査期間: 2024 年 3月26日~ 4月 3 日
調査対象: 世界 11地域 11,580名
「有給休暇の国際比較調査 2024」2024年6月20日発表
睡眠
日本人の睡眠時間は先進国で最も短い!
経済協力開発機構(OECD)が発表している統計によれば、日本人の平均睡眠時間は調査対象の33カ国で最も短いことがわかります。厚生労働省の令和 5 年国民健康・栄養調査では、1日の平均睡眠時間が 6時間未満という人が男性38.5%、女性43.6%にも上っています。日本においては、疲労回復・健康増進の観点からも、適正な睡眠時間を確保することが重要な課題になっています。

疲労は万国共通の課題
科学的根拠(エビデンス)のある正しい疲労対策を
世界のどの地域に暮らしていても、またどんなに技術が進歩しても、疲労は避けて通ることのできない課題です。そんな、すべての人が向き合わなければならない疲労だからこそ、科学的な根拠のある対策が大切。日本は「疲労大国」といわれますが、それゆえに疲労研究も進んでおり、私たちは世界をリードするような情報を知り、活用することができます。
健康不安にさいなまれることなく生き生きと過ごす自らの未来の姿を想像できるように、そういった確かな情報をもとに正しい疲労対策を選択していきましょう。
大切にしたい生活習慣
睡眠
睡眠中は、酸素を多く消費するような動きやストレスが少なく、活性酸素の発生量が抑えられます。細胞が酸化されるスピードより疲労を回復するほうが上回り、自律神経がどんどん修復されていきます。
エアコンは朝までつけっぱなしで
寝ているときも、自律神経は休むことなく働いています。エアコンをつけっぱなしにして、自律神経への負担をなるべく減らし、睡眠の質を高めましょう。
食事
抗疲労効果が認められている成分は、イミダゾールジぺプチド、クエン酸、コエンザイムQ10、リンゴポリフェノールなど。中でも、鶏むね肉やカツオ、マグロなどに豊富なイミダゾールジペプチドは、疲労の原因である活性酸素による酸化を抑えてくれます。積極的にとりましょう。
疲れた脳にしっかり届くイミダゾールジペプチド
イミダゾールジペプチドは、体内で一度2つのアミノ酸に分解され、消費されることなく脳まで届き、そこで再合成されて効果を発揮。最も疲れた場所で働く、優れた抗酸化成分です。
運動
運動すると疲労因子が増加しますが、適度な運動であれば、疲労因子に呼応して発生した疲労回復因子が細胞の修復を行い、疲労を回復してくれます。
汗をかかない程度の軽い運動を
激しい運動は自律神経の大きな負担になるので避けるのがおすすめ。週 1 ~ 2 回、汗をかかない程度の距離をウォーキングしたり室内でストレッチしたりするくらいで十分です。