勘違い疲労<第3回>入浴編・睡眠編

入浴編
勘違い08 熱いお風呂に浸かれば疲れも吹き飛ぶ
「疲労感」はとれた気がしても「疲労」はたまっている
熱いお風呂やサウナを気持ちいいと感じるのは、脳からドーパミンなどの快楽物質が出るから。「疲労感」は吹き飛んだように感じますが、疲労そのものが解消されているわけではありません。実際には、熱いお湯に浸かると体温や血圧の調整に自律神経が忙しくなり、より疲れがたまります。


血圧の乱高下は自律神経の負担に。
おすすめは38 ~ 40℃のお湯に下半身だけ浸かる半身浴で10 分。
汗をかかない程度にしましょう。
勘違い09 休日には温泉でリフレッシュ
お風呂と移動でグッタリ
温泉に行くと、熱いお湯に長時間、しかも何度も入りがちなので、自律神経はヘトヘトになります。温泉地へ行くために長距離を移動するのも、日頃の疲れに追い打ちをかけるだけ。「休む」ためには、まったく何もしない日をつくるのが一番です。

勘違い10 疲れているときほどシャワーだけではダメ
シャワーの方が疲れない
熱いお湯に肩まで浸かるよりシャワーだけで済ませるほうが、体温や心拍、血圧などの急激な変化が起こらないため自律神経に優しいといえます。湯船に入りたいなら、ぬるめのお湯で半身浴がおすすめ。自律神経がリラックスモードに切り替わります。

睡眠編
勘違い 11 休日には思い切り寝坊をする
前夜は早めに寝て起床時間をなるべく一定に
新生活が始まって十分に睡眠時間が確保できず、休日は長く寝ていたいという方もいるでしょう。しかし、平日と休日の起床時間がずれ過ぎると、翌週にリズムを取り戻せなくなります。睡眠不足を解消するには、休日の前夜になるべく早く寝るようにして、起床時間は大きくずらさないようにしましょう。

ある研究では、土曜日および日曜日の朝に朝寝坊した場合の翌週の疲労度は、いつも通り起きた場合と比べて月曜日と火曜日の数値が特に高く、木曜日ごろまで影響してしまうことが報告されています。

休日に思い切り寝坊をすると、翌週、特に週の初めに強い疲労を感じることがわかっています。
勘違い 12 朝は目覚まし時計でしっかり起きる
光や自然音を目覚ましに使う
目覚ましの大音量に驚いて起きると、自律神経が一気に緊張。朝から疲れてしまいます。本来は朝の柔らかい光で徐々に目覚めるのが理想ですが、それが無理でも、音が少しずつ大きくなっていくタイプの目覚まし時計にする、自然音やラジオをタイマーで使うなどの工夫を。

「科学的に正しい疲労解消法」で充実した毎日を

新たな生活の中で、まったく疲れないでいることは不可能だとしても、疲労やその解消法についての「勘違い」をなくせば、疲れをためないで済みますね。正しい疲労解消法を実践することで、この春からの毎日がいっそう充実しますように。