勘違い疲労<第2回> 生活編・運動編・食事編

生活習慣編
勘違い01 ずっと座っていれば疲れない
座りっぱなしは厳禁 最低でも1 時間に1 回は立ち上がろう
座っている=体を折り曲げた姿勢でいると、腎臓への血流は約10%も落ちることがあります。
すると尿があまりつくられなくなり、老廃物の排出も滞ります。腎臓だけでなく下半身の血流も悪くなるので、疲労を招きやすくなります。
座っている姿勢というのは、楽なように思えて意外に体への負荷が大きいのです。


日本人が座っている時間は世界最長の7 時間!
こんなに座っているのに、日本人の約8 割※は疲れていると感じています。
※一般社団法人日本リカバリー協会「日本の疲労状況2024」
勘違い02 エアコンのきいた、閉め切った部屋にいれば疲れない
窓を開けて外の空気を入れると疲れにくくなる
自律神経を疲れさせないためにはエアコンを使用することが基本ですが、冷暖房効率を考えて窓を閉め切っていると、疲れがたまりやすくなります。そよ風や木漏れ日のような「ゆらぎ」があるところにいると人間はリラックスして疲れにくくなるため、窓を開け、外の空気を入れるようにしましょう。

運動編
勘違い03 健康のために毎日ジョギングするのがいい
週に1、2 回のウォーキングで十分
運動には、筋肉の維持や体重コントロール、また疲労回復を促すなど多くのメリットがあります。ただし、そのために激しい運動をしたり毎日必ず運動したりする必要があるわけではありません。散歩やウォーキング、ストレッチやヨガなどの軽い運動で十分。運動のやり過ぎは禁物です。


例えば、ランニングによる心血管疾患の死亡リスクの低下は週1~ 5 回ではほとんど変わりませんが、週6 回以上になるとそれよりも高くなるという報告が。
やり過ぎは良くないですね。
勘違い04 仕事帰りにジムでリフレッシュ
「運動で疲れをとる」は間違い
通勤・通学や家事だけで、思ったより動いていることがあります。一日中デスクワークをしていたなら帰りにジムに行くのもよいですが、疲れている日までストイックに頑張るのはやめましょう。自分の体調と相談し、無理をしないことが大切です。

勘違い05 散歩するなら、爽やかな早朝だ
早朝の運動は危険
早朝に運動すると気持ちよく感じますが、起きてすぐの時間帯は、自律神経もまだ十分に目覚めていません。そんな状態でいきなり運動をすると、心筋梗塞のような命に関わる病気にもつながりかねず危険です。運動をするなら早朝は避けましょう。

食事編
勘違い06 栄養ドリンクで回復して、もうひと頑張り
栄養ドリンクは“隠れ疲労” の原因に
栄養ドリンクにはカフェインと微量のアルコールが含まれているケースが多く、その覚醒作用や気分を高揚させる作用で疲れがとれたように感じます。
「疲労感」は薄まるかもしれませんが、「疲労」そのものが解消されるわけではないので、頑張るために常用していると隠れ疲労がたまります。


疲れにすぐ効いたように感じるのはカフェインの覚醒作用。
よく配合されているタウリンには疲労回復効果は認められていません!
勘違い07 スタミナをつけるなら焼き肉が一番
脂質の多い食事はかえって体の負担に
疲れたときに焼き肉やうなぎを食べるという方は多いですね。しかし、スタミナ食で疲れがとれたのは、戦後などまだエネルギー不足が疲労の原因であった頃の話。今のような飽食の時代、疲労の主な原因はエネルギー不足ではありません。脂質の多い食事は逆に胃の負担となり疲れのもとになります。
